ゆたぽんだお✨

雑魚の戯言を徒然なる儘に。

くすぶっていたい時もある。

フィクションです。

 

私たちの住むこの世界は、結構なスピードでめまぐるしく日々変化している。みんな頑張る。まるで頑張っていない人はいないのではないかと錯覚することすらあるくらいだ。少しの間だけでも電池を抜いて時間を止めたい時もある。だけどそれすらままならない。矢井田瞳が遙か前、ゴールックバックアゲイン、ウォウォウォー。と謳っていたが、「振り返ろうぜ!」なんて歌詞、それ以外に知らない。それくらい、「過去を振り返るな」という常套句がこの国を支配している。過去は敵か何かなのだろうか。そんなに前を向き続けなきゃいけないのだろうか。男は男らしく、女は女らしく。そして私は私らしく。私らしいって何なんだろう。私らしさを探り当てられず狼狽している今現在の私は果たして私らしくないのか、それとも私らしいのか。

あ、彼からLINEが来た。「お疲れ」と一言。

私は未読スルーする。少しだけ時間を置いて返信する。それも恋愛教則本の最初のページに書いてあるような超初心者テクで、一周回って逆効果なんじゃないかと思うことがある。だけど私はまるで馬鹿の一つ覚えのように少しだけ時間を置いて返信する。すぐには返さない。その習慣をやめられない。

 

つづく。