その後の僕ら
警備をしているであろう男を眺めた。
俺もあんな風になるのかなぁ…。
いつかはそうなる日が来ると分かっていた。
しかしながらいざXデーが近づくとなると怖い気持ちになった。迫り来る死刑宣告。
こんなにも嵐の前の静けさたるものか。精神を破壊し得るほどのエネルギー。
嫌だ。普通に働くのは嫌だ。
所謂その他大勢にはなりたくない。
少しだけ耳を済ませる。遠くのほうから聞こえる鐘の音。こんな場所に教会があったのか。今までその音色にすら気づかないほど人生に没頭出来ていたのだ。しかし今は。